カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレース2016
1月30日、オーストラリア・ジーロングでカデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレースが行われてイギリスチャンピオンのピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)が独走で逃げ切りチームに今シーズン初の勝利をプレゼントした。
レースは元世界チャンピオンで2011年のツール・ド・フランスでオーストラリア人として初めての総合優勝を達成したカデル・エヴァンス(オーストラリア)名前を冠して昨年から行われている。エヴァンスの引退レースともなった昨年はジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)が優勝した。コースはジーロングをスタートしジーロングに戻ってくる174kmだ。
レースは曇り空の下スタートしコランタン・シャルハル(フランス、ノボ・ノルディスク)、小石祐馬(日本、ニッポ・ヴィーニファンティーニ)が最初にアタック。その後もアタックと吸収が繰り返され別府史之(日本、トレック・セガフレード)もアタック合戦に加わった。
最終的にはパトリック・レーン(オーストラリア、アバンティ)、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)、ジョシュ・ベリー(オーストラリア、St.ジョージア)、エイドリアン・へギーベリー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)、クリスティアン・ハウス(イギリス、ワンプロサイクリング)、モーガン・スミス(オーストラリア、ケニアンライダーズ)の6名の逃げとなり集団と最大6分の差をつけた。
しかし後半の周回コースに入ると11名の追走集団が形成され逃げ集団を吸収、その後にラファエル・バルス(スペイン、ロット・ソウダル)とサルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、チームスカイ)、キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ディメンションデータ)の3名が先頭で最終周回に入った。
最終周回の登りではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)などのスプリンターが遅れる中、ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)とケノーが集団から抜け出した。そしてケノーは逃げ続けていたバルスらを振り切り独走に持ち込んだ。そしてスピードが持ち前のケノーを集団は捕まえることが出来ず6秒差でケノーが逃げ切り優勝した。2位には集団の先頭をとったリー・ハワード(オーストラリア、IAMサイクリング)、3位にはニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード)が入った。
イギリスチャンピオンのケノーはイギリス・マン島出身の26歳。2014年にはツアー・オブ・オーストラリアとコッピ・エ・バルタリで総合優勝しており、普段は登りの集団牽引などを担当するクライマーだが、トラック競技もやっており2012年の世界選手権にはチームパシュートでアルカンシェルを獲得したほか、同年のロンドンオリンピックではチームパシュートでの金メダルと世界新記録に貢献おり登りにも平坦にも強いオールラウンダーだ。
「チームメイトのルーク・ロウには本当に感謝している」とケノーはレース後のコメントでチームメイトへの感謝を語った。
日本勢は別府が32位でUCIポイントを獲得。小石が89位、全日本チャンピオンの窪木一茂(日本、ニッポ・ヴィーニファンティーニ)はリタイアに終わった。
リザルト
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) 4h04'59"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、IAMサイクリング) +06"
3位 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード)
4位 ピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ソウダル)
5位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)
7位 アレクセイ・ツァテヴィッチ(ロシア、カチューシャ)
8位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
9位 エンリコ・バッタリン(イタリア、ロットNL・ユンボ)
10位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンプロサイクリング)
89位 小石祐馬(日本、ニッポ・ヴィーニファンティーニ) +12'27"
DNF 窪木一茂(日本、ニッポ・ヴィーニファンティーニ)
トロフェオ・トラムンタナ2016
1月30日、スペイン・マヨルカ島で行われたチャレンジマヨルカ第4戦トロフェオ・トラムンタナで元タイムトライアル世界チャンピオンのファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)が独走で逃げ切り優勝した。
レースはソレルからデイアまでの149.9kで行われた。コースは2級山岳が4つ、3級山岳が2つとアップダウンが多くアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)のようなパンチ力のある選手に有利なコースだ。
レースがスタートすると、最初の2級山岳ソレル峠でナトナエル・ベルハネ(エリトリア、ディメンションデータ)のアタックに反応した6人の逃げが形成。しかしすぐにその逃げは吸収され、カンチェラーラやダイエル・キンタナ(コロンビア、モビスター)などを含む23人の大きな逃げ集団が形成された。しかし一番きついマヨルカ島トラムンタナ山脈最高峰の2級山岳プイグ・マホールで逃げ集団はバラバラになりキンタナ、タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、イギリスNT)、ヒュー・カーシー(イギリス、カハルーラル)、ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、ディメンションデータ)、ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)の5人に絞られ最大で集団と2分のタイム差を稼いだ。
しかし集団は最後までカンチェラーラを吸収する事が出来ず最後はカンチェラーラが17秒のリードを持ってゴールした。17秒遅れの2位集団はミハル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が先頭をとった。
今年限りでの引退を表明している4度のタイムトライアル元世界チャンピオン、34歳のカンチェラーラはこれが昨年のティレーノ~アドリアティコの個人タイムトライアル以来の勝利。そしてプロ生活の中で初めての1月の勝利となった。
リザルト
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) 3h41'18"
3位 ティシュ・ビノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
4位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
5位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
6位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ)
7位 マキシム・ブエ(フランス、エティックス・クイックステップ)
8位 セルジェ・パウエルス(ベルギー、ディメンションデータ)
9位 ポール・ヴォス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
10位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
トロフェオ・ポレンサ2016
コースはポレンサをスタートし、アンドラチにゴールする153km。細かなアップダウンが続くトロフェオ・フェラニチに対してトロフェオ・ポレンサは2級山岳1つ、3級山岳2つを超えるコースでクライマーやパンチャー、スプリンターなどどのタイプにも勝機があるコースだ。
レースは序盤に34名の大きな逃げ集団が出来たものの、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)での2連勝を狙うロット・ソウダルなどのスプリンターチームによって集団がコントロールされゴールまで40kmを残して集団は1つとなりレースは振り出しに戻った。
最後の3級山岳ガレリア峠で集団は活性化し下りで20人が抜け出した。そしてその下りでジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)がさらにアタックし独走状態に持ち込んだ。一方集団からはグライペルなどが遅れてペースが大幅に下がった。
ブランビッラはゴールまでペースを落とさず20名弱の追走集団を2秒差で振り切り6年ぶりの優勝となった。2位にはミハル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、3位にはゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)が入った。
ブランビッラはイタリア・ロンバルディア州ベッラーノ出身の28歳。2010年にコルナゴ・CSF(現在のバルディアーニ・CSF)でプロデビュー。プロ1年目でグランプリ・ノビリで優勝、2012年にはジロ・デ・イタリアで総合13位に入った。2013年にオメガファルマ・クイックステップ(当時)に移籍し、昨年はブエルタ・ア・エスパーニャ総合13位やイル・ロンバルディア10位などの結果を残した。
ブランビッラは「2人の元世界チャンピオンそして素晴らしい友人と表彰台に乗ることが出来て嬉しい、素晴らしい勝利だ。調子は良かったけど最高ではなかった。レースは凄いハードでアタックが多く集団がダウンして人数が少なくなっていた。本当はトレンティン(マッテオ・トレンティン)のアシストだったんだけどアタックがあったからそれについて行ったんだ。最後の長い登りに賭けていてアタックしてなんとか抜け出すことが出来たんだ。」とレース後に語った。
リザルト
1位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) 3h32'23"
4位 ティシュ・ビノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 ディラン・ファンバールレ(オランダ、キャノンデール)
6位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)
7位 スコット・スウェイツ(イギリス、ボーラ・アルゴン18)
8位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
10位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
トロフェオ・フェラニチ2016
過去の優勝者はマッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)やサッシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)、リー・ハワード(オーストラリア、IAMサイクリング)などスプリンターが多く、コースは細かなアップダウンこそあるものの集団スプリントになりやすいレースだ。
レースはスタートから30km弱でドミンゴス・ゴンカルベス(ポルトガル人、カハルーラル・セグロスRGA)、エネコ・リサラルデ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)、グリシャ・ヤノルシュケ(ドイツ、チームロス)の3人の逃げが形成され最大4分のリードを稼いだもののゴールまで25キロを残して吸収された。その後ザビエル・カネラス(スペイン、スペインナショナルチーム)がカウンターアタックするものの残り6kmで集団に捕まった。
最後の登りではぜネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)やトムイェルテ・スラフテル(オランダ、キャノンデール)、アンヘル・マドラソ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)などがアタックを試みるがスプリントに向けてペースを上げる集団を振り切ることが出来なかった。
集団は大集団のままゴールスプリントに持ち込まれアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が集団スプリントを制し優勝した。2位にはサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)、3位にはエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)が入った。
オフシーズンの充実したトレーニングの結果を今シーズン初レースでの勝利で示したグライペルは、この勝利がプロ12年間で通算124勝目となった。
グライペルは「シーズンを勝利で始められるのは嬉しい。チームもよく仕事をしてくれたのでその価値に値する仕事を出来たと思う」トレース後に語った。
リザルト
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 4h05'15"
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
5位 マッテオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ)
6位 ヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
7位 アンドリュー・フェン(イギリス、チームスカイ)
8位 フィリッポ・フォルティン(イタリア、GM・ヨーロッパオヴィーニ)
9位 マルク・サルー(フランス、FDJ)
10位 アルベルト・トーレス(スペイン、スペインナショナルチーム)
ストラーデ・ビアンケ女子の出場チーム発表
参加チーム
ウィグル・ハイファイブ(イギリス)
ラボバンク・リブ(オランダ)
ボエルス・ドルマンス(オランダ)
キャニオン・スラム(ドイツ)
サーヴェロ・ビグラ(スイス)
オリカ・AIS(オーストラリア)
ハイテックプロダクツ(ノルウェー)
サイランス(アメリカ)
ティブコ・シリコンバレーバンク(アメリカ)
リブ・プランチュール(オランダ)
ポワトゥーシャラント・フューチュロスコープ86(フランス)
ビーピンク(イタリア)
アスタナ(カザフスタン)
アレ・チポッリーニ(イタリア)
ロット・ソウダル(ベルギー)
パークホテル・ファルケンブルフ(オランダ)
レンズワールド・ザナッタ(ベルギー)
セルヴェット・フートン(イタリア)
インパ・ビアンキ(イタリア)
S.C.ミケラ・ファニーニ(イタリア)
アロミタリア・ヴァイアーノ(イタリア)
ファッサボルトロ(イタリア)